THEハプスブルク
Treasures of the Habsburg Monarchy 140th Jubilee of the Friendship Treaty between Austria - Hungary and Japan
20090925-20091214
「ギリシア神話がありそうな美術展レポート」あります。 [2010.2.6 up]
「黄金時代の愛」を追加致しました。 [2009.12.30 up]
No:0039_0001
オンファレの寝台からファウヌスを追い出すヘラクレス
Hercules Expelling the Faun from Omphale's Bed
油彩、カンヴァス、112×106cm(Oil on canvas 112×106cm)
1585年頃(c.1585)
ブタペスト国立西洋美術館(Museum of Fine Arts,Budapest)
古代ローマの詩人オウィディウスの説明によると、男性の美徳の化身である半神ヘラクレスは、愛するオンファレと服を取り替えた。オンファレを求めるあまり、夫婦の寝室に忍び込んだ森の神ファウヌスは、女性の服に身を包むヘラクレスが横たわっているのにすっかりだまされた。そして、寝台から突き落とされた上、駆けつけた召使いに嘲笑されるのである(カタログp61抜粋)。
No:0039_0002
黄金時代の愛
Love in the Golden Age
油彩、カンヴァス、160×260cm(Oil on canvas 160×260cm)
1585-89年頃(c.1585-89)
ウィーン美術史美術館(Kunsthistorisches Museum Wien)
ギリシア神話では人類の歴史は「五つの時代」に分かれています。五つの時代の最初が黄金の時代です。この黄金の時代は、特に働く事なく食べ物は勝手に育ち、憂い、労苦、嘆きもなく、不死ではなかったが、不老で眠りにつくかのように死を迎える事が出来ました。
美術展のカタログには、
この華麗に彩色された絵画は、しばしば誤って「相互の愛」というタイトルで呼ばれるが、本来はこの連作の第二番目をなすものである。後景の互いに愛し合う恋人たちは、第一番目の絵画(所蔵番号2361)に描かれている、和やかで平和な愛の前触れが成就に至ったことを暗示している(カタログp70抜粋)。
とあります。「平和な愛の前触れが成就に至ったこと」……確かに成就している絵画ですけど、ある意味、春画と言うか何と言うか、露骨過ぎるような気はしますよね。まぁギリシア神話なのである程度そういった絵画はありますけど、流石に載せていいのかな、とちょっと躊躇しました。
因みに当初、この絵画はギリシア神話の黄金時代なのか、判別できなかったのですが、
千足伸行[監修]「すぐわかる ギリシア・ローマ神話の絵画」(株式会社東京美術)の「第ⅴ章 ニンフと人間 人類の黄金時代(p104,p105)」にパオロ・フィアミンゴさんの「人類の黄金時代」が載っていて、この絵画に良く似ていますので、ギリシア神話の「4つの時代(または5つの時代)」の絵画と考えて間違いなさそうです(もしかすると連作の第一番目の絵画なのかもしれません。確証はありませんけど……)。
と後から追記致しました。
詳しくは→ 【絵画の中のギリシア神話】 五つの時代の話