古代ギリシャコインその6

2014年9月6日(土)~

 

 梟コイン、モンスターと続いて、今回はこれまた個人的に好きな「小さなコイン」3枚です。

 

 古代ギリシャコインの基準となる単位はobol(オボル)で、個人的にメインで集めているのもこのサイズです。重さは0.72gぐらいが標準的で直径は大体8mm~10mm程度になります。

 

 オボルでも充分に小さいのですが、この半分のhemiobol(ヘミオボル)でも極まれに「非常に綺麗」なのがあります。極まれ、というのは誇張ではなく実際にほとんど見かけません。

 

 そもそも小さ過ぎてデザインするのは大変そうな所に、ほんの少しのズレ、かすれ、傷があるだけで致命的になります。更に2,000年以上経っていますので綺麗なままというのは普通に考えても少ないような気がします。

 左から、

 

①アポロン神 432-348 BC. AR Hemiobol (8mm, 0.32 g 1h)

②アテナ女神 454-404 BC. AR Hemiobol (7mm, 0.33 g, 3h)

③アッティス 410-390 BC. AR Hemiobol (8mm, 0.34 g, 10h)

 

 です。直径自体はオボルとそう大差はないのですが、幅がとても薄いです。普通に机に置いて取ろうとすると、中々摘めません……。

 

 ②は「梟コイン」ですが、梟コインはこのヘミオボルが最小のようです。貨幣単位自体はヘミオボルより小さい物もあるのですが、梟ではないデザインに変わっています。要は梟をデザインするのはこのサイズが限界、という事なのだと思います。

 

 因みに裏は、

 

①トリポッド(三脚台。祈りの時などに使用)

②梟(ちゃんとアテネを示すAOEも入っています)

③牛の頭(意外と表より綺麗に残っているような……)

 

 です。

 ちっこい……微美(びび)というより微々美(びびび)ですね……ネズミ男w。

 

 このヘミオボルですが、ちょっと変わったデザインの物があるような気がします。オークションで落とせなかったのですが、表がアフロディテ女神で裏がアテナ女神という「どう考えても仲が悪そうな」デザインがあったり……。

 

 また入手できましたらご紹介したいと思います(小さいコインは比較的「安価」なのですが、今回のような綺麗な物は流石にちょっと高いんですよね……)。