大英博物館所蔵フランス素描展 フォンテーヌブローからヴェルサイユへ
No:0048_0001
女神ヘベの頭部
Head of the Goddess Hebe
色チョーク、青色の紙、309×256mm(Coloured chalks,on blue paper 309×256mm)
1733-34年頃(c.1733-34)
大英博物館(Trustees of the British Museum,London)
ヴェルサイユ宮殿「ヘラクレスの間」の天井画≪神々の列に加わるヘラクレス≫(1736年完成)に描かれている女神ヘベの頭部習作です。
<略>
主題は≪神々の列に加わるヘラクレス≫で、画面の中央部分では、ルイ15世を暗示する荷車に乗ったヘラクレスが、全能の神ユピテルによって、青春の女神ヘベの方へと導かれている。ユピテルの娘ヘベは、松明を手にした結婚を司る神ヒュメナイオスを伴っている(fig.77a)(カタログp138抜粋)。
No:0048_0002
横たわるネレイス
Nereid Reclining
赤チョーク、白のハイライト、褐色の紙、249×352mm(Red chalk,heightened with white,on brown paper 249×352mm)
1731-32年頃(c.1731-32)
大英博物館(Trustees of the British Museum,London)
この素描は、近年パリのルーマニア大使館に所蔵されていることが突き止められた≪ウェヌスの誕生≫(fig.84a/Ananoff 1976,no.180;Laing1994,fig.1)のための習作である(カタログp145抜粋)。
No:0048_0003
踊るサテュロスとニンフのいる風景(『真実の書』より)
Landscape with Dancing Satyrs and Nymphs(from the Liber Veritatis)
ペン、褐色インク、褐色の淡彩、195×258mm(Pen and brown ink and brown wash 195×258mm)
1646年頃?(c.1646?)
大英博物館(Trustees of the British Museum,London)
国立西洋美術館には1975年に収蔵された、1646年の年記のある≪踊るサテュロスとニンフのいる風景≫(fig.41a/RP,no173)が所蔵されている。本素描はその絵に基づく『真実の書』に属する素描である(カタログp87抜粋)。
(注)『真実の書』(大英博物館)は素描帖。
No:0048_0004
「ペルセウスと珊瑚の出現」のための習作
Study for "Coast View with Perseus and the Origin of Coral"
ペン、褐色インク、褐色の淡彩、157×219mm(Pen and brown ink, with brown wash 157×219mm)
1672年頃(c.1672)
大英博物館(Trustees of the British Museum,London)
有翼のペガサスについては、オウィディウス原本にはなく、アンドレア・デッラングイッラーラによって翻訳増補されたイタリア語版の『変身物語』(1551)に見られるものである(cf.Worthen 1979)(カタログp84抜粋)。