ギュスターヴ・モロー フランス国立ギュスターヴ・モロー美術館所蔵

Gustave Moreau CEuvres des collections du Musee Gustave Moreau

Bunkamura ザ・ミュージアム

20050809-20051023

No:0064_0001

ヘラクレスとレルネのヒュドラ

Hercule et l'Hydre de Lerne

ギュスターヴ・モロー

油彩・キャンヴァス、155×132cm(Huile sur toile 155×132cm)

?年(?)

ギュスターヴ・モロー美術館(Musee Gustave Moreau)

 「レルネのヒュドラ」は、うち第二の功業。ヘラクレスはレルネの沼地に棲む多頭(1説には七つ頭)の水蛇ヒュドラを退治するよう命じられた。ヘラクレスが頭のひとつを切り落とすと、そこから頭が二つ生えてくる。そこでヘラクレスは切り落とした箇所を仲間に松明で焼かせて、新しい頭が生えてこないようにした。最後に残ったひとつの頭は不死身だったので、ヘラクレスはこれを切り落とし、岩の下に埋めた。そのあと怪物の胆汁に自分の矢をひたして毒矢をつくったという(カタログp117抜粋)。

 

No:0064_0002

ガラテイア

Galatee

ギュスターヴ・モロー

水彩、28×16cm(Aquarelle 28×16cm)

1880年頃(vers 1880)

ギュスターヴ・モロー美術館(Musee Gustave Moreau)

 このエピソードは古くから牧歌詩人たちに好まれ、この場合は、美しいニンフによせる醜い怪物の滑稽な恋として語られた(カタログp169抜粋)。

 

No:0064_0003

ケンタウロスに運ばれる死せる詩人

Poete mort porte par un centaure

ギュスターヴ・モロー

水彩・グワッシュ、33.5×24.5cm(Aquarelle et gouache 33.5×24.5cm)

1890年頃(vers 1880)

ギュスターヴ・モロー美術館(Musee Gustave Moreau)

 上半身が人間、下半身が馬、半人半獣のケンタウロスは、テッサリア王イクシロンと、ユピテルがユノをかたどってつくった雲の間に生まれたという。肉を食べ、凶暴で、時に好色な性質とされている。<略>女性とも男性ともつかぬこの詩人をオルフェウスとする見方もあるが、≪旅する詩人≫(Cat.no.126)などと同様、この作品においては、詩人は特定の誰かである以上に、詩人という概念そのものを表わす存在として描かれている(カタログp151抜粋)。

 

No:0064_0004

妖精とグリフォン

Fee aux griffons

ギュスターヴ・モロー

水彩・グワッシュのハイライト、24×16.5cm(Aquarelle avec rehauts de gouache 24×16.5cm)

1876年頃(vers 1876)

ギュスターヴ・モロー美術館(Musee Gustave Moreau)

 ギリシアのグリフォンは、鷲の頭部、翼と爪を持ち、ライオンの下半身に、蛇の尾を持つ怪物だが、古くはインド起源で、鷲の上半身とライオンの下半身を組み合わせた怪物だったのであろう。西アジアではこの怪物は、一つ目のアリマスポイ族から金鉱中の財宝を護る番人とされていたから、ギリシア神話中の一つ目の怪物ポリュフェモスと美しい妖精ガラテイアに関連する古い伝承なのであろう(カタログp162抜粋)。

 

No:0064_0005

アポロとムーサたち

Apollon et les Muses

ギュスターヴ・モロー

水彩、18.5×12.5cm(Aquarelle 18.5×12.5cm)

?年(?)

ギュスターヴ・モロー美術館(Musee Gustave Moreau)

 ムーサたちの住処(すみか)はパルナッソス山頂の月桂樹の木立のなかとされていたから、岩はこの山頂を意味しているのであろう。アポロが左手に握っているのもおそらく詩や芸術を象徴する月桂樹で、その枝葉がそれぞれムーサたちにも分け与えられている(カタログp135抜粋)。

 

No:0064_0006

レダ

Leda

ギュスターヴ・モロー

水彩、24×15.5cm(Aquarelle 18.5×12.5cm)

?年(?)

ギュスターヴ・モロー美術館(Musee Gustave Moreau)

No:0064_0007

レダ

Leda

ギュスターヴ・モロー

水彩、34×21cm(Aquarelle 34×21cm)

1875-80年頃(1875-80)

ギュスターヴ・モロー美術館(Musee Gustave Moreau)

No:0064_0008

レダ

Leda

ギュスターヴ・モロー

水彩、15×9cm(Aquarelle 15×9cm)

1875-80年頃(1875-80)

ギュスターヴ・モロー美術館(Musee Gustave Moreau)

No:0064_0009

ガニュメデス

Ganymede

ギュスターヴ・モロー

油彩・板、54×46cm(Huile sur bois 54×46cm)

1886年頃(vers 1886)

ギュスターヴ・モロー美術館(Musee Gustave Moreau)

 この神話は、ギリシアにおける同性愛的趣向ゆえに大いに愛好されることとなった(カタログp96抜粋)。

 

No:0064_0010

エウロペ

Europe

ギュスターヴ・モロー

水彩、27×19cm(Aquarelle 27×19cm)

?年(?)

ギュスターヴ・モロー美術館(Musee Gustave Moreau)

No:0064_0011

≪エウロペ≫あるいは≪エウロペの誘拐≫

Europe ou Enlevement d'Europe

ギュスターヴ・モロー

油彩・キャンヴァス、175×130cm(Huile sur toile 175×130cm)

1868年(1868)

ギュスターヴ・モロー美術館(Musee Gustave Moreau)

 この作品は、エウロペがユピテルの背に乗った瞬間を描いている。エウロペの顔には、まだ不安の色はない。モローは、ユピテルが変身した美しく雪のように白い牡牛を、オウィディウスの『変身物語』の描写に忠実に再現した(カタログp76抜粋)。

 

No:0064_0012

トロイアの城壁に立つヘレネ

Helene sur les remparts de Troie

ギュスターヴ・モロー

水彩、33×24.5cm(Aquarelle 33×24.5cm)

?年(?)

ギュスターヴ・モロー美術館(Musee Gustave Moreau)

No:0064_0013

イアソン

Jason

ギュスターヴ・モロー

水彩、19.5×11cm(Aquarelle 19.5×11cm)

?年(?)

ギュスターヴ・モロー美術館(Musee Gustave Moreau)

 金の羊皮の番人である竜を退治し、勝利に右手を掲げるイアソンとメディアの姿が描かれている。モローは1865年のサロンに、同様の構図による油絵≪イアソン≫(オルセー美術館、本書カポディエチ・エッセイ中のfig.3参照)ともう一点を出品し、賞を獲得している(カタログp108抜粋)。