ウルビーノのヴィーナス-古代からルネサンス、美の女神の系譜
La "Venere di Urbino" : Mito e immagine di una Dea dall'antichita al Rinascimento
20080304-20080518
No:0063_0001
キューピッドを鎮める「賢明」
Prudenza frena Amore
油彩・カンヴァスに貼られた絹布、103×83cm(olio su seta riportata su tela,cm 103×83)
?年(?)
ビストイア県庁(Pistoia,Provincia,deposito delle Galleria fiorentine)
丸々と太ったキューピッドがカーテンを上げて露わにしようとしているのは、一見鏡に見えるが、実は肖像画である。少々スキャンダラスな絵画なのか、もしくは、当時にあってはよくあることであったが、肖像主の身元を明かしたくないのだろう。「賢明」としてのヴィーナスは左の人差し指を上げて、息子がカーテンを開けるのをやめさせようとしてる(カタログp210抜粋)。
No:0063_0002
キューピッドの髪を梳くヴィーナス
Venere che pettina Amore
ジョヴァンニ・ダ・サン・ジョヴァンニ(ジョヴァンニ・マンノッツィ)
油彩・カンヴァス、229×173cm(olio su tela,cm 229×173)
1627年(1627)
パラティーナ絵画館(Galleria Palatina)
No:0063_0003
海上のヴィーナスとキューピッド
Venere e Amore sul mare
油彩・カンヴァス、102×95cm(olio su tela,cm 102×95)
1560-65年頃(databile al 1560-65)
ボルゲーゼ美術館(Galleria Borghese)
No:0063_0004
ヴィーナス
Venere
No:0063_0005
パリスの審判
Giudizio di Paride
油彩・板、89×65cm(olio su tavola,cm 89×65)
1530-35年頃(1530-35 ca.)
ウフィツィ美術館(Galleria degli Uffizi)
この作品は、「パリスの審判」という主題にしては異例のものである。というのは、パリスは灌木の茂みで眠っている戦士の姿として、ミネルウァ、ヴィーナス、ユノは豊満な肉体の三美神として表されているからである(Forster1898,p.269; Damisch 1992,pp.128-138)。これはおそらくグイド・デッレ・コロンネの『トロイア滅亡史』を典拠としたためであろう。<略>同書にはイーダ山のふもとで狩をしていたパリスが道に迷った様が語られている。彼は馬を木につないで、疲労を回復すべく眠りに身を委ねる。すると夢のなかにメルクリウスと3人の女神が現れ、一番美しい女神を選ぶようにと彼を促す。パリスは彼女たちに裸も見せるように指示した後、ヴィーナスを勝者に選ぶこととなる(カタログp150抜粋)。
No:0063_0006
ヴィーナスとキューピッド(ミケランジェロの下絵にもとづく)
Venere e Cupido(da un cartone di Michelangelo Buonarroti)
油彩・板、128×197cm(olio su tavola,cm 128×197)
1533年頃(1533)
アカデミア美術館(Galleria dell'Accademia)
No:0063_0007
キューピッド、犬、ウズラを伴うヴィーナス
Venere con un Amorino,un cane e una pernice
油彩・カンヴァス、139.2×195.5cm(olio su tela,cm 139.2×195.5)
?年(?)
ウフィツィ美術館(Galleria degli Uffizi)
彼女の足元では、ぶちのある犬--愛の忠実さのシンボル--がヤマウズラに吠えかかっている。この鳥は欲情や多産の隠喩であり、羽を膨らませてベッドの後ろの欄干に止まっている。こうして、「官能」の誘惑に警告を発する「忠実」という象徴性が、二つの動物によって明かされるのである(カタログp120抜粋)。
No:0063_0008
息子アンテロスをユピテルに示すヴィーナスとメルクリウス
Venere e Mercurio presentano a Giove il figlio Anteros
油彩・カンヴァス、150×243cm(olio su tela,cm 150×243)
?年(?)
ウフィツィ美術館(Galleria degli Uffizi)
彼が抱えて差し出している息子アンテロスは、その名の由来によれば、かつて愛し合っていた者たちの間に愛を再燃させることができる。ユピテルの存在は、赤ん坊に投げかけられた影と、彼の逞しい足、そして権力の象徴であるワシと杓によって示されている。ユピテルの玉座を飾るヘルメ柱も、旅人の守護神であるメルクリウスを暗示するものである。メルクリウス(ギリシア名ヘルメス)の名に由来するヘルメ柱は、里程や国境を示すために路傍に建てられた。<略>画中に描かれた自然が解釈の手がかりとなる。マルメロの大木に実る果実は、結婚を象徴するからだ(Panofsky[1937]1975)(カタログp172抜粋)。
No:0063_0009
ヴィーナスとキューピッド
Venere e Cupido
例えば2羽のハトは、ヴィーナスの聖なる鳥であり、愛の結びつきを象徴する互いにつつき合う姿で描かれている。また地面に置かれたリンゴが草むらからかいま見え、その草むらのなかにはウサギがいる。ウサギもまたヴィーナスの聖なる獣であり、豊饒を仄めかすと同時に、目を開けたまま眠るというその習性ゆえに、おそらくは用心深さを暗示している。背景の湖の景色は、おそらく愛の迷宮を表わすのか、明らかに何か空想的なものである(カタログp122抜粋)。
No:0063_0010
ヴィーナスとサテュロス、小サテュロス、プットー
Venere,satiro,satiretto e Amorino
油彩・カンヴァス、112×142cm(olio su tela,cm 112×142)
1588-89年頃(1588-89)
ウフィツィ美術館(Galleria degli Uffizi)
No:0063_0011
眠るヴィーナスのいる風景
Paesaggio con Venere dormiente
油彩・カンヴァス、65.5×81.8cm(olio su tela,cm 65.5×81.8)
1540-50年(1540-50)
パラティーナ絵画館(Galleria Palatina)
No:0063_0012
パリス
Paride
パオロ・スキアーヴォ(?)(本名パオロ・ディ・ステーファノ・バダローニ)
テンペラ・板、58×177cm(tempera su tavola,cm 58×177)
?年(?)
ホーン美術館(Museo Horne,deposito delle Galleria fiorentine)
青々とした草地に寝そべる若者の像は、板絵の上部に明記されたゴシック書体の銘が示すように、神話の登場人物パリスを表わしている。だが実際に描かれているのは、当時の流行ファッションに身を包んだ15世紀前半の優雅なフィレンツェ人である(カタログp90抜粋)。
No:0063_0013
ヴィーナスとキューピッド
Venere con Cupido
パオロ・スキアーヴォ(本名パオロ・ディ・ステーファノ・バダローニ)
テンペラ・板、54×173cm(tempera su tavola,cm 54×173)
?年(?)
ベッリーニ美術館(Museo Bellini)
No:0063_0014
左側「愛神の凱旋」右側「羞恥の凱旋」
Trionfo d'Amore & Trionfo della Pudicizia
テンペラ・板、75.5×89.5cm テンペラ・板、76×86.5cm(tempera su tavola,cm 75.5×89.5 tempera su tavola,cm 76×86.5)
?年(?)
バンディーニ美術館(Museo Bandini)
アモルの足元には、後ろ手に縛られた騎士や髭をたくわえた男性、そして女性がおり、いかなる人物をも無防備にしてしまう、愛の力を暗示している(カタログp94抜粋)。若者の姿のアモルは、今や打ち破られ、美徳の捕虜となっている。女性の一人はアモルを後ろ手に縛り、もう一人は箙(えびら)を折り、3人目は翼をむしり取っている(カタログp95抜粋)。
No:0063_0015
ウルカヌス、ヴィーナスとキューピッド
Vulcano,Venere e Amore
油彩・カンヴァス、85×197.4cm(olio su tela,cm 85×197.4)
1550年代初頭(inizi del sesto decennio del XVI sec.)
パラティーナ絵画館(Galleria Palatina)
神話の伝承によれば、ヴィーナスは時に軍神マルスの妻とも、また時にはウルカヌスの妻とも呼ばれ、後者とのあいだに息子キューピッドをもうけたといわれる。ホメロスのおかげで有名となった別の神話では、ヴィーナスはウルカヌスの妻でありながらも、マルスと不倫したのだとされる(カタログp168抜粋)。
No:0063_0016
ヴィーナスとキューピッド
Venere e Cupido
No:0063_0017
パリスの審判
Giudizio di Paride
ジョヴァンニ・ダ・サン・ジョヴァンニ(ジョヴァンニ・マンノッツィ)
フレスコ・粗布、直径62cm(affresco su stuoia,diam. cm 62)
1634年頃(1634 ca.)
ウフィツィ美術館(Galleria degli Uffizi)
前景で彼の隣に座っているのはユノで、それは彼女の足の向こうに見える堂々たるクジャクによって示されている。彼女の後ろにいる美しいヴィーナスは、なまめかしくパリスの首を愛撫しており、一方の彼は振り向いて彼女を見つめている。兜を被ったミネルウァは、3人によってほとんど隠されてしまっている(カタログp158抜粋)。
No:0063_0018
パリスの審判
Giudizio di Paride
油彩・板、直径(額は含まない)56.5cm(olio su tavola,diam. cm 56.5 senza cornice)
1430年頃(1430)
バルジェッロ国立美術館(Museo Nazionale del Bargello)
ここにはヒュギヌスやルキアノスの著作を典拠とする、「パリスの審判」の物語から取られた異なる3つのエピソードが描かれている。右上の場面は、トロイア王子プリアモスの息子で羊飼いのパリスが、メルクリウスの伝令を受けて、ユノ、ヴィーナス、ミネルウァのなかから最も美しい女性を選ぶ役目を引き受けているところである。左上には、争いの女神エリスが宴席に投げ落としたリンゴを調べる3人の女神がいる。画面下部の前景には、最も重要なエピソードである、パリスがヴィーナスにリンゴを渡す場面が描かれている(カタログp144抜粋)。
No:0063_0019
ヴィーナスとアドニス
Venere e Adone
油彩・板、直径17cm(olio su tavola, diam. cm 17)
1563年以降(dopo il 1563)
パラティーナ絵画館(Galleria Palatina)
女神の不安げな表情、アドニスの物憂げな顔にかかる影、そして一株の赤い花のもとに横たわって死んだように眠るキューピッドによって、危険が間近に迫っていることが察知される。事実、若きアドニスは1頭のイノシシに命を奪われて帰らぬ人となり、そして彼の血が流れた場所にはアネモネが生えることになるのである(オウィディウス『変身物語』第10巻 525-560,705-735)(カタログp132抜粋)。
No:0063_0020
ウルビーノのヴィーナス
La Venere di Urbino
油彩・カンヴァス、119×165cm(olio su tela,cm 119×165)
1538年(1538)
ウフィツィ美術館(Galleria degli Uffizi)
No:0063_0021
ウルビーノのヴィーナス
La Venere di Urbino
油彩・カンヴァス、119×165cm(olio su tela,cm 119×165)
1538年(1538)
ウフィツィ美術館(Galleria degli Uffizi)