シャヴァンヌ展 水辺のアルカディア ピュヴィス・ド・シャヴァンヌの神話世界

L'Arcadie au bord de l'eau-Le monde mythique de Puvis de Chavannes

Bunkamura ザ・ミュージアム

20140102-20140309

 

「ギリシア神話がありそうな美術展レポート」あります。 [2014.1.18 up]

No:0123_0001

諸芸術とミューズたちの集う聖なる森

The Sacred Grove,Beloved of the Arts and the Muses

ピュヴィス・ド・シャヴァンヌ

油彩、カンヴァス、93×231cm(oil on canvas,93×231cm)

1884-89年頃(c.1884-89)

シカゴ美術館(The Art Institute of Chicago)

 建築、彫刻、絵画という3つの造形芸術を擬人化した人物像は構図の中心近くに置き、うち絵画は子どもから花の捧げものを受け取っている。またその近くでは書き板を持った歴史の女神クレイオと、腕を挙げ神々への賛歌と修辞学を司る女神ポリュヒュムニア、喜劇を司る女神タレイアとともに左手にいるテルプシコラは踊りを中断し、エウテルペの奏でる音曲とエラトの竪琴や恋歌が空から聞こえてくるのに耳を傾けている。天文の女神ウラニアは湖のほとりに横たわり星座を見つめている。ウェルギリウスに敬意を表して、叙事詩を司るカリオペが草の上で持っている巻物には、『アエネイス』の冒頭を飾る有名な文言「私は戦いと英雄を歌う」が書かれている。ウラニアの左の離れた所には、他の妨げにならないようにとしだれ柳の木の脇に悲劇の女神メルポメネが座っている。古代において月桂樹の冠は詩人などの名士に贈られたのだが、ここでは2人の少年がそれを作っている。イオニア式の柱廊の一部は古代の建築を象徴している。各要素は絶妙な間隔で配置され、それがこの情景に荘厳さと秩序とを加えている(カタログp116,117抜粋)。

 

No:0123_0002

幻想

Fantasy

ピュヴィス・ド・シャヴァンヌ

油彩、カンヴァス、263.5×148.5cm(oil on canvas,263.5×148.5cm)

1866年(1866)

大原美術館(Ohara Museum of Art)

 高い崖を背景にした森の中で、腰掛けた裸のニンフがペガサス-この有翼の馬は一般的に幻想の象徴-を捕まえようと葡萄の蔓を投げ、その近くでは子どもがリースを作っている(カタログp62抜粋)。

 

No:0123_0003

休息

Rest

ピュヴィス・ド・シャヴァンヌ

油彩、カンヴァス、61.5×89.0cm(oil on canvas,61.5×89.0cm)

1861年(1861)

島根県立美術館(Shimane Art Museum)

 かくして画面中央では、おそらくホメロスと思われる年老いた語り部が座る周りで、若者たちがその話に熱心に聞き入っている(カタログp54抜粋)。