モーリス・ドニ -いのちの輝き、子どものいる風景-

Exposition Maurice Denis - Le matin de la vie

損保ジャパン東郷青児美術館

20110910-20111113

2011年9月15日(金) 晴 14時30分頃~15時00分頃


【総評】

 

 平日の昼下がりなので、1Fのエレベータ前は流石に空いていました。ただ、42Fの展示室にはそこそこ人がいました。

 

 ギリシア神話関連ですが……う~ん、ほとんどなかったです。「子どものいる風景」ですからまぁ想像は出来ましたが、残念でした。ただ、ドニさんの画風は好きなので、気に入った絵画を観て楽しめました。

 ギリシア神話っぽかったのは以下の3点。

 

【郊外を回るホメロス】

 最初のコーナー「序章 若き日のモーリス・ドニ」にありました。アカデミーで制作した作品とのこと。特にキャプションもなく図録にも説明はありませんが、恐らく中央の男性がホメロスと思われます。ギリシア神話というより「ギリシア神話の作成者」の絵画です。

 

【川から救い出されたモーセ】

 第4章「象徴としての子ども」にある、ちょっと興味深い絵画でした。題名を見て「聖書か」と飛ばそうとしたのですが、絵画を観てみると「何かギリシア神話っぽいな」と思い、休憩の椅子にある図録を見てみると、

 

 ドニは≪川から救い出されたモーセ≫の3つのバージョンを描いているが、これは綜合主義の一例で、純然たる現代の題材として幾分ユーモアをもって、ヘブライ、エジプト、ギリシャという3つの文化の側面を統合させている(カタログp152抜粋)。

 

 とありました。なるほど、ギリシャ的な側面もあるということですね。更に、

 

 このエジプト人の王女にドニはギリシャ風の布をまとわせている。その姿はホメロスのナウシカアの姉妹のようである。<略>この作品を見ると、ファラオの娘のうしろに、いかにもナウシカアの洗濯物が干してあるかのように見える(カタログp152抜粋)。

 

 確かに子どもがいなければ「ナウシカア」の題名で通るような気がします。まぁちょっと女性の髪形がギリシャっぽくはないですけど……。

 

 ギリシア神話ではありませんでしたが、ギリシア神話的要素を含んでいる絵画でした。

 

【泉(≪黄金時代≫の一枚目のパネル)】
 前作品と同じく第4章「象徴としての子ども」にありました。タイトルが≪黄金時代≫なので、ヘシオドス「労働と日」の五世代の話かな、と思って図録を見てみると、

 

 ドニの先人たちである有名なアングルやピュヴィ・ド・シャヴァンヌが扱った「黄金時代」というテーマがごく自然と頭に浮かんだ(カタログp168抜粋)。

 

 とありましたので、先ず間違いなさそうです(ただ、個人的にシャヴァンヌさんの「黄金時代」というのは知らなかったです)。

 ギリシア神話は少なかったですが、ドニさん好きで、更に子ども好きなら、堪らない美術展だと思います。

【購入グッズ】


図録 \2300

 

 クレジットカードは利用できませんでした。スイカが利用可能です。

 

 目当てのギリシア関連のポストカードがなく、購入したのは図録だけでした。ちょっと寂しかったので「石膏ガチャ」をやったら「ラオコーン」がヒット。嬉しかったですが、ちょっと音が響いて恥ずかしいですね……。

【ギリシア神話の絵画とポストカード】

No 作者名 作品名 ポストカード
1 モーリス・ドニ
郊外を回るホメロス
×
2 モーリス・ドニ
川から救い出されたモーセ
×(1)
3 モーリス・ドニ 泉(≪黄金時代≫の一枚目のパネル) ×(2)

×(1) 題名からギリシア神話ではありませんが、ナウシカアの要素が含まれているので一応、上げておきます。

×(2) 黄金時代という題名なので一応、上げておきます。