レンブラント 光の探求/闇の誘惑 版画と絵画 天才が極めた明暗表現
2011年4月2日(土) 晴 12時50分頃~13時30分頃
【総評】
東北関東大震災により臨時休館となっていましたが、再開したので観に行きました。空いているかなと思いましたが、流石レンブラント、混んでいました。
実は「もしかすると開催期間が短くなるかも」と嫌な事が頭に浮かびましたので、早めに観に行ったのですが、もしかすると他の人も同じ考えだったのかもしれません。後、春休みのせいか、子供も多くいました。
ギリシア神話の絵画と版画ですが、以下の4点がありました。
・ヘンドリック・ハウト 娘を探すケレス
・レンブラント・ファン・レイン ユピテルとアンティオペ
・レンブラント・ファン・レイン 水浴するディアナ
・レンブラント・ファン・レイン 書斎のミネルヴァ
絵画は「書斎のミネルヴァ」のみで他は版画でした。サイトなどで見た「書斎のミネルヴァ」は今ひとつ印象が薄く「ミネルヴァっぽくないなぁ」と思っていましたが、実物はとても綺麗でした。これは本物を見たほうが良さが分るような気がします。
版画ではヘンドリック・ハウトさんの「娘を探すケレス」が一番良かったです(レンブラントではないですけど)。観るなり、物語のシーンがパッと頭に浮かぶ程、上手く表現されていると思いました。ケレスが娘のコレーを探し、喉の渇きを癒すために老婆に飲み物をもらい飲んでいるシーンなのですが、この後、ケレスを笑っていた少年(アスカラポス)が蜥蜴に変えられます。その直前ということが良く分ります。神話的にはケレスは老婆に身をやつしてコレーを探しています。この絵画では女神のままのように見えますが、それでもシーンが頭に浮かびます。
以下の3点ははっきりとギリシア神話と明記はされていませんが、カタログを見るとギリシア神話に関連しているようです。
レンブラント・ファン・レイン 座る裸の女
レンブラント・ファン・レイン モデルを描く芸術家
レンブラント・ファン・レイン 矢を持つ女
「座る裸の女」は上記の「水浴するディアナ」と関連しているらしく、
本作品に描かれているのは、ディアナの仲間のニンフ、例えば、カリストと見なすこともできるだろう。ここに描かれる女性のお腹が少し大きいのも、ユピテルの子を妊娠し、ディアナの怒りをかい、熊に変身させられてしまうというカリストの物語と関連するのかもしれない(カタログp224抜粋)。
とあります。「モデルを描く芸術家」については、
18世紀のオランダで、この作品は「ピグマリオンの彫像」の名で呼ばれていたことから、ピグマリオンの神話がこの作品とどこかでつながっていた可能性も排除できない(カタログp244抜粋)。
とあります。物語的には彫像を「描く」というシーンはなかったように思いますので、ピグマリオンとは違うそうな気はしますが、個人的にはピグマリオンとしても良いように思えました(希望も含めて)。
「矢を持つ女」については、
最も広く支持されているのは、矢とクピドとの連想から、男女をウェヌスとクピドに見立てる解釈である(カタログp270抜粋)。
とあります。イメージがないので伝えづらいですが、ウェヌスと言われれば、まぁそうかなぁと思えますが、クピドはちょっと無理があるような気がします。かなり「おっさん」に見えるような気がしますので……。
ギリシア神話以外の購入したポストカードです。ギリシア神話のポストカードは常設展で展示予定です。
【購入グッズ】
図録 \2300
クリアファイル
モデルを描く芸術家 \350
ポストカード
石の手摺にもたれる自画像 \100
モデルを描く芸術家 \100
書斎のミネルヴァ \100
東洋風の衣装をまとう自画像 \100
フェニックスあるいは倒された彫像 \150
クレジットカードは利用可能できませんでした。なお、図録は2種類ありました。中身に違いはなく表紙が違うとのこと。好きな人なら両方買わざるを得ない、という中々アコギな商売かも。
また、ポストカード入れはオリジナルの物で、クリアファイルを入れてくれた袋もオリジナルでした。力が入っていると思います。
【ギリシア神話の絵画とポストカード】
No | 画家名 | 作品名 | ポストカード |
1 |
ヘンドリック・ハウト |
娘を探すケレス |
× |
2 |
レンブラント・ファン・レイン |
ユピテルとアンティオペ |
× |
3 | レンブラント・ファン・レイン | 座る裸の女 | × |
4 | レンブラント・ファン・レイン | 水浴するディアナ | × |
5 | レンブラント・ファン・レイン | 書斎のミネルヴァ | ○ |
6 | レンブラント・ファン・レイン | モデルを描く芸術家 | ○ |
7 | レンブラント・ファン・レイン | 矢を持つ女 | × |