世紀末、美のかたち
2011年10月1日(土) 曇 11時20分頃~12時10分頃
【総評】
土曜日なので混んでいるかなと思いましたが、空いていて、ゆっくり観る事ができました。府中市美術館は都心からは少し不便な場所にありますが、最寄の東府中駅から歩いて行くと公園の中を通っていき、気持ちが良かったです(ちょっと距離はありますが……)。
ギリシア神話関連ですが、ちょっと少なかったです。最初、目に付いたのがポスターにもなっているルネ・ラリックさんの蝶の羽を持つ人のブローチ。題名を見ると「羽のあるニンフ」との事でどうやらギリシア神話のニンフをイメージしたようです。
次に目に付いたのがルネ・ラリックさんの「シレーヌ」と「カリュプソ」の鉢。「シレーヌ」はギリシア神話のセイレーンのフランス読みです。セイレーンは通常、上半身が女性、下半身が鳥の怪物とされ、歌声で人を誘惑します。ただ今回のように下半身が魚で人魚のように描かれている場合も多く、絵画などでも人魚のパターンが見受けられます。
また「カリュプソ」はホメーロス「オデュッセイア」に出てくる女神で、帰国を逸る主人公のオデュッセウスを7年間も島に留めてしまいます(まぁそれだけ魅力があったとも言えますが……)。
版画ではオディロン・ルドンさんの「彼はまっさかさまに深淵へおちてゆく(『聖アントワーヌの誘惑』第3集17)」にアポロンが描かれていました。フローベール作『聖アントワーヌの誘惑』という小説の中でのアポロンなので、ギリシア神話とは違いアポロン自身が天かける馬車から墜落しています(ギリシア神話ではアポロンの息子のファエトンが天かける馬車を制御できず大神ゼウスの雷により墜落します)。なお、アポロンらしく「矢筒」が描かれていました。
また、ギリシア神話ではありませんがモーリス・ドニさんの「『愛』表紙」は印象に残りました。愛と美の女神アフロディテの鳥である鳩が描かれているので多少、ギリシア神話を意識したのかもしれません。
その他、ミッシャさんの作品が多くありました。「我が子を殺すメディア」のサラ・ベルナールさんの絵画が多かったなぁという印象がありました。
なお、この美術展は巡回はないそうですので、ここでしか観られない美術展になります。
【購入グッズ】
図録 \1900
クリアファイル
羽のあるニンフ \300
ポストカード
ブローチ「シルフィード(風の精)、あるいは羽のあるシレーヌ」 \100
ブローチ「シルフィード(風の精)、あるいは羽のあるシレーヌ」 \100
鉢「シレーヌ」 \100
鉢「カリュプソ」 \100
蓋物「二人のシレーヌ」 \100
百合、連作<四つの花>より \200
クレジットカードは利用できませんでした。
どうもグッズはオリジナルの物ではなく、出展美術館のグッズを販売しているようでした。ちょっと残念でしたが、チラシは非常に力が入っており、出来が良いです。
【ギリシア神話の絵画とポストカード】
No | 画家名 | 作品名 | ポストカード |
1 |
ルネ・ラリック |
ブローチ 羽のあるニンフ |
△ |
2 |
ルネ・ラリック |
三足鉢 シレーヌ |
△ |
3 | ルネ・ラリック | 蓋物 二人のシレーヌ | △ |
4 | ルネ・ラリック | 鉢 カリプソ | △ |
5 | ルネ・ラリック | デカンタ シレーヌとカエル | × |
6 | ルネ・ラリック | 花瓶 シレーヌ、人物像の栓あるいは 群像 | × |
7 | オディロン・ルドン | 彼はまっさかさまに深淵へおちてゆく(『聖アントワーヌの誘惑』第3集17) | × |
△ 立体物の写真なので掲載はNG