大エルミタージュ美術館展 ― 世紀の顔・西欧絵画の400年
400 Years of European Masterpieces from the State Hermitage Museum
20120425-20120716
「ギリシア神話がありそうな美術展レポート」あります。 [2012.10.20 up]
No:0100_0001
風景の中のクピド
Cupid in the Landscape
油彩、カンヴァス、94×77cm(oil on canvas 94×77cm)
16世紀末-17世紀初め(Late 16th - early 17th century)
エルミタージュ美術館(The State Hermitage Museum)
古代信仰とカトリック教との辻褄を合わせようとしたルネサンス美術では、有翼のケルビムが絵画に登場するとき、文脈によって天使またはクピドの役割を果たした。<略>本作品は、ナポリの国立カポディモンテ美術館が所蔵する作品の、画家自身による模写である(カタログp193抜粋)。
No:0100_0002
ウェヌスの帯を解くクピド
Cupid Untyingt the Zone of Venus
油彩、カンヴァス、127.5×101cm(oil on canvas 127.5×101cm)
1788年(1788)
エルミタージュ美術館(The State Hermitage Museum)
本作品は、レイノルズが1784年にキャリスフォート卿(ジョン・ジョシュア・プロビー、初代キャリスフォート伯爵)のために製作し、同年、王立アカデミーに「ニンフとクピド」という題名で出品した(油彩/カンヴァス、124.4×99.1cm、ロンドン、テート)の、レイノルズ自身による模写である。<略>顔の特徴や身体の優雅さに、艶聞の絶えなかった名高い美女、エマ・ハート(1791年からハミルトン卿夫人)との類似性を見いだすことも可能であろう(カタログp205抜粋)。
No:0100_0003
モルフェウスとイリス
Morpheus and Iris
油彩、カンヴァス、251×178cm(oil on canvas 251×178cm)
1811年(1811)
エルミタージュ美術館(The State Hermitage Museum)
「モルフェウスとイリス」という中心となる主題は、眠りの力を描写する3つの場面によって補足されている。それらの場面は、モルフェウスが眠るベッドの台座を飾る浅浮彫(バ=レリーフ)として描かれている。これらの場面について、ゲランは、オウィディウスの『変身物語』第1巻およびホメロスの『イリアス』第14歌から主題を得た。右の場面には、モルフェウスの腕の中で眠るユピテルが描かれている。こうしてモルフェウスは、ユピテルがトロイア戦争に参加することを妨げているのである。中央に描かれているのは、飛翔するモルフェウスである。左の浅浮彫(バ=レリーフ)には、ユピテルの命を受けたモルフェウスがアルゴスを眠らせようとしている場面が描かれている(カタログp207抜粋)。
No:0100_0004
水の妖精ナイアス
Naiade
油彩、カンヴァス、41.5×55cm(oil on canvas 41.5×55cm)
1896年頃(c.1896)
エルミタージュ美術館(The State Hermitage Museum)
本作に先行すると考えられるのが1896年のサロンに出品されたパステルによる≪ウンディーネ≫(Fantin-Latour 1614)とその素描(Fantin-Latour 1619)である。本作の構図はこのパステル画の構図が左右逆転したものである。またリトグラフ版が、1896年3月31に出版されている(カタログp213抜粋)。
No:0100_0005
クピド(詩の寓意)
Cupid Allegory of Poetry
油彩、カンヴァス、82×87cm(oil on canvas 82×87cm)
1750年代末-1760年代初め(Late 1750s - early 1760s)
エルミタージュ美術館(The State Hermitage Museum)
≪クピド(絵画の寓意)≫およびこの作品と対をなす≪クピド(詩の寓意)≫は、おそらく、諸芸術の寓意を描いた連作の一部をなすものだったのだろう(カタログp201抜粋)。
No:0100_0006
クピド(絵画の寓意)
Cupid Allegory of Painting
油彩、カンヴァス、82×87cm(oil on canvas 82×87cm)
1750年代末-1760年代初め(Late 1750s - early 1760s)
エルミタージュ美術館(The State Hermitage Museum)
≪クピド(絵画の寓意)≫およびこの作品と対をなす≪クピド(詩の寓意)≫は、おそらく、諸芸術の寓意を描いた連作の一部をなすものだったのだろう(カタログp201抜粋)。
No:0100_0007
虹のある風景
Landscape with a Rainbow
油彩、カンヴァス(1869年に板より移し替え)、86×130cm(oil on canvas(transferred from wood in 1869) 86×130cm)
1632頃-1635年(c.1632-1635)
エルミタージュ美術館(The State Hermitage Museum)
≪虹のある風景≫は、この画家の後期の風景画(すなわち1630年代に描かれたもの)の多くがそうであるように、ローマの詩人オウィディウス(前43-後18頃)の言葉によれば、「戦に備える必要もなく、人々が平穏に甘美な平和を味わって暮らしていた」(オウィディウス『変身物語』第1巻99-100節)という「黄金時代」のイメージを描いたものである(カタログp195抜粋)。