アントワープ王立美術館所蔵 ジェームズ・アンソール-写実と幻想の系譜-
James Ensor in Context. Ensor and the History of European Art from the Collection of the Royal Museum of Fine Arts Antwerp
20120908-20121111
常設展を開催しました。こちらからどうぞ。 [2013.2.2 up]
2012年9月8日(土) 晴 12時55分~13時45分頃
【総評】
初日でしたので、結構混んでいました。新宿高層ビルの42階ですので景色が良く、美術展のチケットもぎりまでに景色を楽しんだり、写真を撮っている方が結構いました。
ギリシア神話関連ですが、以下の3点がありました。
・ペーテル・パウル・ルーベンス 「ミネルヴァ」
・ジェームズ・アンソール 「ターナー“ポリュフェモスを愚弄するオデュッセウス”の模写」
・ペーテル・スハウブルーク 「トロイ炎上」
美術展に入って最初の作品がルーベンスの「ミネルヴァ」でした。いきなりルーベンス、しかも個人的に今回のメインと思っていた「ミネルヴァ」だったので、流石にちょっと面食らいました。
というか、そもそも美術展名を「ジェームズ・アンソール」と銘打っていますので、個展的なイメージを持っていて、その他の作家さんの作品は「参考程度に」という感じかなと思っていたのですが、どうやら違うようです。
ジェームズ・アンソール目当てで来た人には、ちょっと残念感があるのではないでしょうか?(ギリシア神話目当ての私には嬉しいですけど……)
ルーベンスさんの「ミネルヴァ」ですが、ギリシア神話の特定の場面を描いている訳ではないようです。図録には、
ローマ神話の知恵の女神ミネルヴァが自らの槍で裸の女の怪物を突き刺している。専門家は、この恐ろしい生き物の同定について意見の一致をみていない。性欲や妬み、反逆や無知、あるいは不和を擬人化しているのであろうか(カタログp22抜粋)。
とありました。「裸の女」ですから「性欲や妬み」あたりが妥当そうな気がします。それにしてもこの「裸の女」、醜く描かれていますね……。
ジェームズ・アンソールさんが模写をした「ポリュフェモスを愚弄するオデュッセウス」は小品です。船は確認できるのですが、ポリュフェモスやオデュッセウスは確認できませんでした。ちょっと残念。
個人的に目を惹いたのはペーテル・スハウブルークさん「トロイ炎上」。これも小品なのですが、建物(というか塔?)や人物、そして左側に書かれている「トロイの木馬」の縮尺が違い、印象的です。
そして、中心に書かれている人物は父・アンキセスを抱えているアイネイアースに見えました(実は今回目録を買わず、しかもこの作品部分の説明を見忘れるという失敗を……ですので、もしかすると図録に説明が書いてあるかもしれません)。
この他、ギリシア神話ではありませんがピーテル・ブリューゲル(子)さん「諺シリーズ」の作品群は面白かったです。
ギリシア神話の絵画は3点だけでしたが、ルーベンスさん「ミネルヴァ」だけだと思っていたので、(ギリシア神話目当ての私には)満足度は高かったです。
【購入グッズ】
ポストカード
ペーテル・パウル・ルーベンス 「ミネルヴァ」 \150
ジェームズ・アンソール 「イーゼルに向かう自画像」 \150
ジェームズ・アンソール 「首吊り死体を奪い合う骸骨たち」 \150
ジェームズ・アンソール 「絵を描く骸骨」 \150
ジェームズ・アンソール 「陰謀」 \150
クレジットカードは利用できませんでした。図録は未購入ですが\2200でした。
ギリシア神話関連のポストカードは常設展で展示しています。
今回、ギリシア神話に関連するグッズではありませんが、秀逸だなぁと思ったのが、ピーテル・ブリューゲル(子)さん「諺シリーズ」の缶バッジ。
・フランドルの諺:盲人が盲人を導けば二人とも溝に落ちる
・フランドルの諺:この世が不実だから、わたしは喪に服す
・フランドルの諺:仔牛がおぼれた後で、穴をふさぐ
・フランドルの諺:空の大卵にまたがる大酒飲み 【下の写真】
・フランドルの諺:なぜガチョウが裸足で歩いているか誰がしるだろう
今回展示されている5点全てが缶バッジになっていて、つい「全部買おうかな」と思ってしまいました。ギリシア神話ではないので思いとどまりましたが、記念に1個購入。
缶バッジってグッズとしてはどうかなぁと思っていたのですが、実際の絵画も小品でイメージとしても合っているので、これは良いアイデアだと思います。
まぁジェームズ・アンソールさんのグッズじゃないんですけどね……。
【ギリシア神話の絵画とポストカード】
No | 作者名 | 作品名 | ポストカード |
1 |
ペーテル・パウル・ルーベンス |
ミネルヴァ | ○ |
2 | ジェームズ・アンソール | ターナー“ポリュフェモスを愚弄するオデュッセウス”の模写 | × |
3 | ペーテル・スハウブルーク | トロイ炎上 | × |