バーン=ジョーンズ展-装飾と象徴-

Edward BURNE-JONES

三菱一号館美術館

20120623-20120819

 

常設展を開催しました。こちらからどうぞ。 [2012.11.10 up]

2012年7月7日(金) 曇一時雨 10時15分~11時20分頃


【総評】

 

 ガラガラでした。開館とほぼ同時に行った為、空いていたのかもしれません。後、上野にフェルメールの「真珠の彼女(耳飾と首飾)」が二人、来ていますのでちょっと「裏番組」ちっくになってしまったのかもしれません。個人的に今年のメインの一つだったので、ちょっと拍子抜けしました。

 

 さて、ギリシア神話関連ですが大量です。流石、ラファエロ前派の方です。

 

バーン=ジョーンズ 迷宮のテセウスとミノタウロス-タイル・デザイン

バーン=ジョーンズ 鍛冶場のクピド

バーン=ジョーンズ アモールとアルケスティス-チョーサー著「善女列伝」

バーン=ジョーンズ ティスベ-ピュラモスとティスベの物語

バーン=ジョーンズ 泉の傍らに眠るプシュケを見つけるクピド--連作「クピドとプシュケ」(パレス・グリーン壁画)

バーン=ジョーンズ プシュケを山へ運ぶゼフュロス--連作「クピドとプシュケ」(パレス・グリーン壁画)

バーン=ジョーンズ クピドとプシュケ--11点一組の水彩習作

バーン=ジョーンズ [01]プシュケを見つけるクピド・習作

バーン=ジョーンズ [02]王と悲観にくれる人々・習作

バーン=ジョーンズ [03]プシュケを運ぶゼフュロス・習作

バーン=ジョーンズ [04]クピドの館のプシュケを訪ねる姉たち・習作

バーン=ジョーンズ [05]眠っているクピドにランプの明かりで見惚れるプシュケ、置き去りにされるプシュケ・習作

バーン=ジョーンズ [06]夜の闇へ飛び去るクピドを見て絶望するプシュケ・習作

バーン=ジョーンズ [07]プシュケを置いて飛び去るクピド・習作

バーン=ジョーンズ [08]ケレスの神殿のプシュケ、ユーノーの神殿のプシュケ・習作

バーン=ジョーンズ [09]ウェヌスに仕事を与えられるプシュケ・習作

バーン=ジョーンズ [10]ステュクス河の渡し守にコインを渡すプシュケ・習作

バーン=ジョーンズ [11]プロセルピナから小箱を受け取るプシュケ・習作

バーン=ジョーンズ 侍女たちの習作--ウェヌスの沐浴・細部

バーン=ジョーンズ プロセルピナの略奪

バーン=ジョーンズ 屈むキルケの衣装・習作-≪キルケのワイン≫

バーン=ジョーンズ ペレウスの饗宴

バーン=ジョーンズ クロト・習作-≪運命の三女神≫

バーン=ジョーンズ 三美神・習作-≪和のウェヌス≫

バーン=ジョーンズ フローラ

バーン=ジョーンズ 牧神の庭

バーン=ジョーンズ パルナッソス

バーン=ジョーンズ ステュクス河の霊魂

バーン=ジョーンズ フラマ・ウェスタリス

バーン=ジョーンズ 運命の車輪

バーン=ジョーンズ ピグマリオンと彫像―≪恋心≫

バーン=ジョーンズ ピグマリオンと彫像―≪心抑えて≫

バーン=ジョーンズ ピグマリオンと彫刻―≪女神のはからい≫

バーン=ジョーンズ ピグマリオンと彫像―≪成就≫

バーン=ジョーンズ マリア・ザンバコ頭部習作-ガラーテア≪ピグマリオンと彫刻・女神のはからい≫

バーン=ジョーンズ マリア・ザンバコ頭部習作-ウェヌス≪ピグマリオンと彫刻・女神のはからい≫

バーン=ジョーンズ メドゥーサの死 Ⅱ-連作「ペルセウス」

バーン=ジョーンズ 果たされた運命:大海蛇を退治するペルセウス-連作「ペルセウス」

バーン=ジョーンズ 甲冑のペルセウス・習作-連作「ペルセウス」・≪メデゥーサ発見≫

バーン=ジョーンズ 翼・習作-連作「ペルセウス」・≪メデゥーサの死≫

バーン=ジョーンズ ウィリアム・モリス著『クピドとプシュケの物語』

バーン=ジョーンズ ウィリアム・モリス著『地上の楽園』(全8巻)「クピドとプシュケの物語」(第3巻)ほか


 どれも良かったですが、印象に残っていたのは、まず一番最初に観る作品「迷宮のテセウスとミノタウロス-タイル・デザイン」。初っ端から「あれ?」と思わせる作品です。本来なら緊迫する場面だと思いますが、この作品はユーモラスな感じで画風もバーン=ジョーンズっぽくないなぁと思いました。散乱してる骨も何となくかわいいですし。図録を見てみると、

 

 バーン=ジョーンズが類稀なユーモリストであったことを知ったら、この画家の耽美的な世界に魅了されている人たちは驚くかもしれない。≪迷宮のテセウスとミノタウロス≫(cat.no.1)がユーモアの片鱗を見せているが、作品に現れるのは珍しい(カタログp120抜粋)。


 とありました。恐らく何か意図があってこの作品が美術展の最初に来ているとは思いますが、もしバーン=ジョーンズを始めてみる人が、この作品から観たら「こういう画風の人なのか」と勘違いしてしまいそうな気がしました。

 

 「プロセルピナの略奪」は下書きのような作品でしたが、沢山のプロセルピナの従者(と思われる)が混乱しているのが良く分かりました。所謂オウィディウス「変身譚」などの表現とは違い、沢山の従者がいて、誘拐する側もハデスではなく眷属のような人(?)が攫っていますが「略奪」の表現としては適しているなぁ、と思いました。

 

 「ペレウスの饗宴」は見応えがありました。有名なペレウスとテティスの結婚式の場面ですが、どうやらオリュンポス12神が勢揃いしている様に思えます。図録にはそこまで書いてありませんが、想像するに、

 

 上側(左から) ハデス(?) アレス アフロディテ (ケンタウロス) アテナ ヘラ ゼウス (テティス)(ペレウス) デメテル(?) (ケンタウロス) アルテミス(?)

 

 下側(左から) クロトー ラケシス アトロポス エロス アポロン ヘルメス ディオニュソス エリス

 

 かな? 左端の見切れているのは、どうもハデスのように見えます。ハデスはこの饗宴には来なかったと思いますが、何となく……。

 

 「ステュクス河の霊魂」は図録によるとウェルギリウス「アエネイス」第6巻の冥府に下る場面との事。何か良い雰囲気だと思います。カロンさんに渡してもらえるように、亡くなる時は「オボロス(小銀貨。オボルともいいます)」を忘れずに持っていきましょう(笑)。

 

 「ピグマリオンと彫像」の連作と「ペルセウス」の連作は今回の目玉です。とても良かったのですが、図録の「ピグマリオン」の説明に「キプロスの彫刻家」と書いてありました。確かに彫刻家ですが、ピグマリオンはキプロスの王様ですので、その旨は書いておいて欲しかったなぁと思います(オタクな王様ですね……)。

 

 後、ちょっと気になったのが「メドゥーサの死 Ⅱ-連作「ペルセウス」」で、バーン=ジョーンズっぽい画風で良い雰囲気なのですが、倒れているメドゥーサが、どうも男性の体に見えてしまいます……まあ感覚的なものですので、気にする必要はないのですけど……。

 

 空いていましたし、ギリシア神話満載で、満足のいく美術展でした。

【購入グッズ】

 

図録 \2200

 

ポストカード

 バーン=ジョーンズ 「ピグマリオンと彫像-≪女神のはからい≫」 \100

 バーン=ジョーンズ 「ピグマリオンと彫像≪恋心≫」 \100

 バーン=ジョーンズ 「フローラ」 \100

 バーン=ジョーンズ 「果たされた運命:大海蛇を退治するペルセウス-連作「ペルセウス」」 \100

 バーン=ジョーンズ 「風刺的自画像--≪描かれざる傑作の群れ≫」 \100

 バーン=ジョーンズ 「王宮の中庭・習作--連作「いばら姫」」 \100

 バーン=ジョーンズ 「王宮の中庭・習作--連作「いばら姫」」 \100

 バーン=ジョーンズ 「F.S.エリス編纂「チョーサー著作集」復刻版(部分)」 \100

 バーン=ジョーンズ 「F.S.エリス編纂「チョーサー著作集」復刻版(部分)」 \100

 バーン=ジョーンズ 「眠り姫--連作「いばら姫」」 \100

 バーン=ジョーンズ 「聖杯堂の前で見る騎士ランスロットの夢」 \100

 バーン=ジョーンズ 「「怠惰」の戸口の前の巡礼」 \100

 バーン=ジョーンズ 「水車小屋」 \100

 バーン=ジョーンズ 「愛の歌」 \100

 バーン=ジョーンズ 「成就・習作--連作タペストリ≪聖杯探索≫」 \100

 

大判ポストカード

 バーン=ジョーンズ 果たされた運命:大海蛇を退治するペルセウス-連作「ペルセウス」(部分) \150

 バーン=ジョーンズ フローラ(部分) \150

 バーン=ジョーンズ ピグマリオンと彫像≪恋心≫≪心抑えて≫≪女神のはからい≫≪成就≫ \150

 バーン=ジョーンズ 忍耐、恭順、従順・習作(部分) \150

 

図録用トートバッグ \400

 

シール \500

 

しおり

 ピグマリオンと彫像≪恋心≫≪心抑えて≫≪女神のはからい≫≪成就≫(部分) \450

 

Wクリアファイル

 バーン=ジョーンズ展 \650

 

A4クリアファイル

 果たされた運命:大海蛇を退治するペルセウス-連作「ペルセウス」 \400

 ピグマリオンと彫像-≪女神のはからい≫ \400

 フローラ \400

 

額絵

 果たされた運命:大海蛇を退治するペルセウス-連作「ペルセウス」 \500

 ピグマリオンと彫像-≪女神のはからい≫ \500 フローラ \500

 

 クレジットカードは使用可能です。販売されていた全てのポストカードを購入しました(15種類。この他、大判の物があります)。ただ、ちょっとポストカードの種類は少ないように思います。「ペルセウス」や「ピグマリオン」の連作は全てポストカードにして欲しかったですね……(「ピグマリオン」は大判ポストカードにまとめられていますけど)。

 

 ポストカード入れは今回いただけませんでしたが、大きな袋がショップの袋だったので、恐らくオリジナルの物ではないと思われます。

 

 以前は常設のショップと特設のショップは別々の場所にありましたが、今回は同じ場所にありました。同じ場所にあっても良いのですが、ショップに入ってすぐに「特設コーナー」があるとショップの入口が混雑するような気がします。今回、私の場合はたまたま空いていましたので良かったですが……。

 レシートは展覧会名ではなく、ちょっと残念。

 通常版ポストカード。

ギリシア神話関連のポストカードは常設展で展示しています。

 ギリシア神話ではありませんが、以下のポストカードはお気に入りです。タイトルは「風刺的自画像-<描かれざる傑作の群れ>」です。最初見た時「えっ、これバーン・ジョーンズ?」と思いましたけど……。

 マックス・エルンスト展の時に横浜美術館にあった「ぶらぶら美術・博物館」の宣伝用ポストカードは1Fのアンケートコーナーにあるそうです。実はアンケートコーナーは無視して観終わって「あれっ、そういえばなかったな」と出入口にいた係りの方にお聞きした所、わざわざ取ってきて頂けました。

 その他のグッズでスキャンできた物。シールとしおりです。最近、このタイプのしおり、セザンヌ展でもありましたので、今後、増えていくかもしれませんね。

【ギリシア神話の絵画とポストカード】

No 画家名 作品名 ポストカード
1 バーン=ジョーンズ
フローラ
2 バーン=ジョーンズ
ピグマリオンと彫像―≪恋心≫
3 バーン=ジョーンズ ピグマリオンと彫像―≪心抑えて≫
4 バーン=ジョーンズ ピグマリオンと彫刻―≪女神のはからい≫
5 バーン=ジョーンズ ピグマリオンと彫像―≪成就≫
6 バーン=ジョーンズ 果たされた運命:大海蛇を退治するペルセウス-連作「ペルセウス」

○ 通常ポストカードと大判ポストカードの両方で販売

● 大判ポストカードの一部として

◎ 大判ポストカードの一部として、と通常ポストカード単独で販売

 

 今回はギリシア神話の量が多いので、販売されていた物のみ掲載しています。