ヴェネツィア展
RITRATTO DI VENEZIA-MILLE ANNI DI STORIA VENEZIA
江戸東京博物館
20110923-20111211
常設展を開催しました。こちらからどうぞ。 [2011.11.12 up]
2011年10月14日(金) 曇 13時00分頃~13時45分頃
【総評】
金曜日の平日昼間なので空いているかなと思いましたが、中高年を中心に結構賑わっていました。先週、NHK「アートシーン」で紹介されたのが、効いているのかもしれません。
ギリシア神話関連ですが、絵画ではっきりギリシア神話と分るのは4点でした。
○アントニオ・カノーヴァ(もしくはガスパーレ・ランディ) 【アモールとプシュケ】
○ヤーコポ・デ・バルバリ 【1500年のヴェネツィア(ヴェネツィア景観図)】
○セバスティアーノ・リッチ 【ヴィーナスとサテュロスとキューピッド】
○逸名のヴェネツィアの画家 【レダと白鳥】
何といっても目を引いたのはアントニオ・カノーヴァ(もしくはガスパーレ・ランディ)の「アモールとプシュケ」。この話自体、好きなのですが、珍しくプシュケさんが積極的なイメージの構図です。カノーヴァさんの有名な彫刻の「元絵」だと思っていたのですが、逆で彫刻を元にこの絵画を描いたとの事でした。個人的に好きな新古典主義で「アモールとプシュケ」、これはポストカードで欲しかったです。正方形に近くポストカード向きではないな、とは思いましたけど、残念でした。
バルバリさんの「ヴェネツィア景観図」は2007年国立西洋美術館で行われた「チューリヒ工科大学版画素描館の所蔵作品による イタリア・ルネサンスの版画」に同じ物が来ていました。この時の図録には、
バルバリがメルクリウスの杖の図柄を自らの作品の署名代わりとしたことから、本作品の画面右上に登場するメルクリウスが持つ杖もバルバリの署名と見なされることもあるが、断言するのは難しい。<略>また、海上に停泊する多くの船や、イルカに乗ったネプトゥヌスは、ヴェネツィアの海上における覇権を表わし、一方上述のメルクリウスは商業の神であることから、この町の商業が盛んなことを示していると考えられる(イタリア・ルネサンスの版画展 カタログp101抜粋)。
とありましたので、ギリシア神話関連として常設展に展示しています。
リッチさんの「ヴィーナスとサテュロスとキューピッド」はギリシア神話関連で唯一、ポストカードになっていました。また、「レダと白鳥」はミケランジェロの模写との事。模写とはいえ有名な絵画なのでこれもポストカードで欲しかったです。また、
○ロザルバ・カッリエーラ 【春】
この「春」はフローラ?と思ったのですが、図録にはそれらしい事の記述はなかったです。ただ、フローラの可能性は残っているような気がしています。
絵画ではなく陶器などはギリシア神話が多かったです。
○作者不詳 【サンタ・クローチェ地区選出の総督補佐官ピエトロ・モロジーニの宣誓書】
○ティツィアーノ・アスペッティ 【ブロンズ製ノッカー(ネプトゥヌス)】
○フランチェスコ・クサント・アヴェッリ 【≪プシュケの死≫が描かれた「グアスターダ」】
○ヴェネツィア製-ドメニコ・ダ・ヴェネツィア 【≪ペレウスに追われるテティス≫とレニエル家の紋章が描かれた大型水差し】
○マルケ地方製(ウルビーノもしくはペーザロ) 【≪アイギーナと炎に姿を変えたゼウス≫が描かれた果物鉢(低い脚と立ち上がりのある皿)】
○ウルビーノ製(?) 【≪デウカリオンとピュラ≫が描かれた果物入れ】
「サンタ・クローチェ地区選出の~」はタイトル的にはギリシア神話ではないですが、明らかに正義の女神アストライアー(ディケー)と思われます。ただ、足元に「幸運の女神」のアトリビュートである「不安定さを表す球体」がありますので「幸運+正義の擬人像」ということですかね?
「ブロンズ製ノッカー(ネプトゥヌス)」はゼウスとも思えましたが、足元に「馬」がいましたのでネプトゥヌスと判断できました。右手は槍などを持っていたような形跡があるので、恐らく「三叉の鋒」を持っていたものと思われます。
他の4点は陶器で≪プシュケの死≫以外はギリシア神話の「あのシーンかな?」と思い浮かべる事ができました。
≪プシュケの死≫は図録を見ると≪アモルに見捨てられたプシュケ≫とありましたので、恐らくプシュケが見てはいけないと言われていたアモルの正体を見てしまい、アモルがプシュケの元を離れた直後のシーンだと思われますが……立っている二人は誰? アモルは立ち去ったのに小さなアモル(所謂キューピッドっぽい)はアモルの従者…? ちょっと謎の多い陶器でした。
【購入グッズ】
図録 \2400
ポストカード
ヴィーナスとサテュロスとキューピッド \100
1500年のヴェネツィア(ヴェネツィア景観図) \100
聖ヒエロニムスと聖アウグスティヌスを伴う聖マルコのライオン \100
サン・マルコのライオン \100
ヴェネツィアの眺望 \100
IRE(ヴェネツィア養老院教会) \100
春 \100
香水売り \100
二人の貴婦人 \100
柱廊のあるカプリッチョ(奇想画) \100
クレジットカードは\5000以上で使用できます(今回は流石に\5000はいかなかった……)。
図録は赤と青の2種類がある「アコギ」な商法でした……。赤は「サン・マルコのライオン」、青は「香水売り」で中身は一緒です。デザイン的には「青」の方が良いように感じましたが、やはり今回の展覧会のイメージから「赤」を購入しました。
しばらく他のお客さんがどちらを買うかを見ていたのですが、誰も買わず……。出ている分では青の方が少なかったように見えました。
因みに「ポストカード入れ」はオリジナルで中々、力が入っています。前売りでピンバッジ付を購入しましたので、一緒に撮影(上の小さいバッジです)。また、レシートにもデザインがされていました。
【ギリシア神話の絵画・その他とポストカード】
No | 画家名 | 作品名 | ポストカード |
1 |
セバスティアーノ・リッチ |
ヴィーナスとサテュロスとキューピッド |
○ |
2 |
ヤーコポ・デ・バルバリ |
1500年のヴェネツィア(ヴェネツィア景観図) |
○ |
3 | 作者不詳 | サンタ・クローチェ地区選出の総督補佐官ピエトロ・モロジーニの宣誓書 | × |
4 | ティツィアーノ・アスペッティ | ブロンズ製ノッカー(ネプトゥヌス) | × |
5 | フランチェスコ・クサント・アヴェッリ | ≪プシュケの死≫が描かれた「グアスターダ」 | × |
6 | ヴェネツィア製-ドメニコ・ダ・ヴェネツィア | ≪ペレウスに追われるテティス≫とレニエル家の紋章が描かれた大型水差し | × |
7 | マルケ地方製(ウルビーノもしくはペーザロ) | ≪アイギーナと炎に姿を変えたゼウス≫が描かれた果物鉢(低い脚と立ち上がりのある皿) | × |
8 | ウルビーノ製(?) | ≪デウカリオンとピュラ≫が描かれた果物入れ | × |
9 | 逸名のヴェネツィアの画家 | レダと白鳥 | × |
10 | アントニオ・カノーヴァ(もしくはガスパーレ・ランディ) | アモールとプシュケ | × |