生誕100年 萩原英雄展 ―天から与えられた僕の仕事―
武蔵野市立吉祥寺美術館
20140111-20140223
2014年1月24日(金) 曇 14時30分~14時50分頃
【総評】
初めて行った美術館です(実家から20分程度ですが……)。帰り際にショップの方に話を聞いたら2002年に出来たそうです。当時の武蔵野市の市長と親交があったらしく、それで武蔵野市に作品が大量にあり、それを元に美術館にしたとか。
山梨県の出身なのに、と思っていたのですが、そういった理由があったんですね~。
因みに空いてはいましたが、ガラガラではなく適度に人がいました。
さて、ギリシア神話関連ですが、以下の5点がありました。
萩原英雄 ギリシャ神話「ナルキッソス」
萩原英雄 ギリシャ神話「エリジクトン」
萩原英雄 ギリシャ神話「ピラモスとティスベ」
萩原英雄 ギリシャ神話「ケンタウロス」
萩原英雄 イソップ絵噺「ヘルメスと彫刻家」
「エリジクトン」はエリュシクトーンの事らしく自分の手を食べ始めていて、下には小さな人(恐らく娘のムネーストラーだと思います)がいます。描かれているのは豪快な顔と小さな人だけですが「エリュシクトーンの話」とすぐ分かる不思議さがありました。
「ケンタウロス」は女性を攫っていましたので「ヒッポダメイアの略奪」の話だと思います。左に描かれている男性はペリイトオスではなく(何となく手に持っているのが棍棒のように見えましたので)親友のテセウス……ですかね。
イソップ絵噺「ヘルメスと彫刻家」は話の通り「ゼウス」「ヘラ」「ヘルメス」の像が描かれています。イソップですので短い話ですが、岩波文庫 中務哲郎訳「イソップ寓話集」の八十八話を見ると、
ヘルメスは人間界でどれ程尊敬されているか知りたいと思い、人に姿を変えて、彫刻家の工房へ入って行った。ゼウス像を見つけて、
「幾らかね」と尋ねたところ、
<略>
「で、このヘルメスは?」と尋ねた。すると彫刻家の言うには、
「いやなに、こちらの二体を買って下さるなら、そいつはおまけで差し上げます」
人からは物の数にも入られぬうぬぼれ屋にこの話はあてはまる(p84,p85抜粋)。
との事です。ヘルメス神、どんな災いをもたらしたか気になりますが……。因みにこの話でゼウス像は1ドラクメ(ドラクマ)と書かれており、訳注には、
※ドラクメ ギリシアの貨幣単位で、前五、四世紀のアテナイでは、一ドラクメで一家が二、三日食べて行けたとされる(p43抜粋)。
とありました。1ドラクマは6オボルですので、私の好きなオボル(カロンさんへの渡し賃が1オボルです)は「一家で半日分」ぐらいの価値でしょうか? 意外と価値がありますね。
因みに美術館は3つに区切られていて企画展の他に2つの常設展がありました。「萩原英雄記念室 美しい色を求めて」と「浜口陽三記念室 闇に刻むフォルム」。
ギリシア神話関連はなかったですが、浜口さんの「闇」は個人的には気に入りました。これで100円ならお得かも。
【購入グッズ】
ポストカード
萩原英雄 ギリシャ神話「レダ」 \100
萩原英雄 イソップ絵噺「蚊と牛」 \100
萩原英雄 イソップ絵噺「喉の渇いた鳩」 \100
萩原英雄 イソップ絵噺「旅人とプラタナス」 \100
萩原英雄 イソップ絵噺「狐と木苺」 \100
額絵
萩原英雄 ギリシャ神話「ナルキッソス」 \300
萩原英雄 ギリシャ神話「レダ」 \300
なお、クレジットカードは利用できません。
今回、図録は未購入(\500)。展示の全ての作品が載っていれば買っていたのですが……。
【ギリシア神話の絵画とポストカード】
No | 作家名 | 作品名 | ポストカード |
1 | 萩原英雄 | ギリシャ神話「ナルキッソス」 | × |
2 | 萩原英雄 | ギリシャ神話「エリジクトン」 | × |
3 | 萩原英雄 | ギリシャ神話「ピラモスとティスベ」 | × |
4 | 萩原英雄 | ギリシャ神話「ケンタウロス」 | × |
5 | 萩原英雄 | イソップ絵噺「ヘルメスと彫刻家」 | × |