ギリシャのユーロコイン展

2011年12月17日~

 

 現在、ユーロで使用されているギリシャのユーロコインです。ユーロのコインは、表は同じですが、裏は各国でデザインが違います。ギリシャでは、

種類 裏面のデザイン ギリシア神話
2ユーロ 雄牛に姿を変えたゼウスに連れ去られるエウロパ
1ユーロ フクロウが描かれている紀元前5世紀古代アテナイの4ドラクマ銀貨
50セント ヴェニゼロス(政治家 1864-1936) ×
20セント カポディストリアス(政治家 1776-1831) ×
10セント リガス・フェレオス(詩人・革命家 1757-1798) ×
5セント タンカー船(現代) ×
2セント コルベット艦(19世紀) ×
1セント アテナイの三段櫂船(紀元前5世紀)

△ ギリシア神話ではないですが、ギリシア悲劇などに良く出てきますので、≒という事で。

なお、この情報はこちらのサイトを参照させていただきました。

 ギリシア神話関連は2ユーロ、1ユーロ、そしてちょっと違いますが1セントに採用されています。

 

 2ユーロは有名なゼウスによるテュロス(フェニキア)の王女エウロパの略奪です。ゼウスはエウロパを見初め、白い牛の姿に化け、エウロパを連れ去ります(因みにエウロパの兄弟のカドモスはギリシアのテーバイの創始者です。有名人)。

 

 クレタ島で愛されたエウロパは3人の息子、ミーノース(クレタの王)、ラダマンテュス(死後、ミーノース、アイアコスと共に冥府の裁判官となる)、サルペードーン(トロイア戦争でトロイア側についた勇士)を産みました。

 

 エウロパはEuropeですので、ヨーロッパそのものです。コインの中で一番高い2ユーロにヨーロッパの元となった「エウロパの話」としたのは「ヨーロッパはギリシア神話が起源なんだよ」という事を自慢したかったのかな、と勘繰ってしまいますね。

 

 1ユーロは結構有名な「アテナの梟」です。最近の「欧州危機」でユーロコインが出てくると、このデザインの1ユーロが多いような気がします。

 

 1セントは紀元前480年のペルシアとのサラミス海戦の際に活躍した櫂船だと思われます。東京書籍「図解古代ギリシア」に、

 

 三段櫂船は船の片側の3段に85人ずつ、両側で170人の漕ぎ手が座って櫂を漕ぎます。櫂のかたちは、その漕ぎ手の位置によって異なっています(p13抜粋)。

 

 とありました。漕ぎ手が170人とは大きいですね。ギリシア悲劇のアイスキュロス著「ペルシア人」にこの三段櫂船が書かれています。

 

 コインのデザインになるとは、よほどペルシアに勝ったのが嬉しかったのかなぁと思ってしまいますね。

No:000L_0001

2ユーロ

雄牛に姿を変えたゼウスに連れ去られるエウロパ

 

No:000L_0002

1ユーロ

フクロウが描かれている紀元前5世紀古代アテナイの4ドラクマ銀貨

 

No:000L_0003

1セント

アテナイの三段櫂船(紀元前5世紀)

 

保護用の紙がついたままです。